一級水系子吉川(こよしがわ)は秋田県と山形県境にそびえる標高2,236mの霊峰鳥海山北嶺に源を発し、
秋田県南部の由利本荘市を流れ、旧本荘市市街西部で日本海に注ぐ流長63kmの河川です。
水系の流域は由利本荘市に加え、秋田市・横手市・にかほ市・雄勝郡羽後町の一部にまで流域面積は1,520
平方kmと秋田県内では雄物川、米代川に次ぐ第三の規模の河川で、おもな一級河川の支流だけでも大内地
域の芋川地区を流れる芋川、旧郡協を越え羽後町から東由利・石沢地域を流れる石沢川・鳥海地域を流れる
笹子川・直根川、鳥海山の最源流部から鳥海・矢島地区境を流れ下る鶯川、鮎川地区を流れる鮎川などがあ
り、流域には複数の発電所も稼動しています。
流域には指定魚類を含め数多くの動植物が生息し、豊かな川を形成しています。
鳥海地区・矢島地区ではアユ・イワナ・ヤマメ、由利地区・鮎川地区ではアユ・サクラマス・子吉地区では鯉・
サクラマス・ヤツメウナギ・高瀬川地区ではイワナ・ヤマメ・アユ・モクズガニ、石沢地区ではアユ・サクラマス・モクズガ
ニ、本荘地区ではサクラマスやコイ・ヤツメウナギ・モクズガニ、芋川ではコイ・イワナ・ヤマメなどの漁が盛んにおこな
われています。
春のアユの遡上は堰堤下の川面が真っ黒に染まるほどで一見の価値があります。
このほか、流域には主なものだけでも魚類がカジカ、アブラハヤ・ドジョウ・オオヨシノボリ(ハゼ)など、鳥類も河口
から中流域にかけてはサギ・オオヨシキリ・カワセミなど、深山の渓流ではヤマセミの姿も見かけることがあります。
また、初夏には河口近くの気水域ではスズキがよく釣れ、秋の石沢川ではサケが群れを成して堰堤を越えて遡上
する姿が見られます。
子吉川の上流である鳥海地区の百宅集落には2028年度の完成を目指して、集水面積83.9km2、総貯水容
量約4,680万m3の鳥海ダム建設工事が進められています。
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日本の滝百選にも選ばれた、子吉川源流域の上玉田川から下玉田川に流れ落ちる鳥海山北嶺の名瀑 鳥海地区の法体の滝
矢島地区を流れる春の鶯川
鳥海地区を流れる秋の下玉田川